リウマチについて

リウマチは不治の病ではなくなりました
栃木県医師会温泉研究所附属塩原病院
名誉院長 増渕正昭

 日本には約70万人〜80万人のリウマチ(医学用語では慢性関節リウマチ)の患者さんがいると言われております。以前は治らない病気で寝たきりになってしまうと言われていましたが、リウマチ医学と薬学の進歩で、リウマチの進行をとめる治療が進みました。特に早期に発見できれば20%は治ると言う報告もあります。

リウマチはどんな病気か
 リウマチは関節に炎症がおき、痛みが出たり,腫れたりして、関節が変形してゆきます。女性に多く男性の約3倍の人がかかっています。30歳から40歳の時期の発症が多いのですが、その他の年代でも発症します。リウマチがなぜ起きるのか、どういうきっかけで起こるのかはまだはっきりしていません。しかし、免疫の異常がおきて、関節の内側の滑膜という細胞が増えてしまう病気ということはわかってきています。 また同じリウマチという診断でも人によって全身状態も、障害の程度も違いますし、病気の進行も違います。

こんなときはリウマチを疑う
 リウマチの自覚症状にあげられるのは、朝の手のこわばりです。手のこわばりとは、手を使わないでいて動かそうとする時に手が重たく動かしにくい状態のことです。朝起きて着物を着る時にスムースに着られないとか、顔を洗う時に手が思うように動かないとか、歯ブラシが握りにくいとか、箸が持ちにくいとか、食器をうまくつかめないとかがあります。その他の自覚症状は手や足の小さい関節が腫れることです。このような状態が15分以上一週間以上続く場合 は、早期リウマチとして診断します。

リウマチが疑われたら
 リウマチらしいと気がついたら医師の診察を受けてください。最初に問診(インタビュー)をします。いつからどんな症状があるのか聞きます。そのあと手や足の関節を診察させて頂きます。その時には腫れがあるか、手で押して痛くないかを診察します。その後にエックス線(レントゲン)の撮影をします。この検査は、関節の変形がないか、関節の腫れがないかをみます。また血液の検査と尿の検査をします。血液検査では血沈(赤血球の沈降速度)や白血球数、赤血球数の測定の他に、CRP等の一般的な検査をします。CRPとは健康な時には現れないタンパクで、体の中に炎症が起きたり、体の一部が壊れたりした時に血液の中にでてくるものです。 さらに詳しい検査としてリウマチ因子を調べます。リウマチ因子とは、リウマチの患者さんの80%にあるものです。初期の場合は見られないこともありますが、この因子が見つかればほぼリウマチであると確認できます。その他に、関節が腫れて関節液がたまっている場合には、関節液を注射針でとって調べることもあります。

リウマチの診断
最終的にはリウマチ学会で発表されている診断基準を使用して診断します。
「慢性関節リウマチの診断基準」
1. 朝のこわばりが少なくとも1時間
2. 3つ以上の関節領域の関節炎
3. 手首、指の関節炎(いちばん端の関節以外)
4. 右左対称性の関節炎
5. リウマチ結節
6. リウマチ因子
7. 手のエックス線の変化
上記7項目のうち4項目以上あれば 慢性関節リウマチとして診断される。

リウマチの治療
 それぞれの患者さんによって治療法が違います。 基本的なこととしては「局所の安静」、「適度な運動」と「保温と栄養」があげられます。
 薬物療法としてはまず非ステロイド性抗炎症剤があります。いわゆる痛み止めですが多くの種類があり、いつ、どう使うかは患者さんの状態によって違ってきます。副作用は少なくなってきていますが出るときもありますので、注意が必要です。
 次にリウマチの進行を抑える薬として抗リウマチ薬(疾患修飾性リウマチ薬)があります。この種の薬が開発されたことによりリウマチの治療は飛躍的に進みました。現在薬物療法の主役となっています。しかし、この種の薬は患者さ んによって効果が違うために、患者さんごとに試しながら見つける必要があります。また効果が出るまで1ヶ月から2ヶ月かかることがあります。
 リウマチの炎症が強い時や抗リウマチ薬の効果がでないときには、ステロイド剤を使用します。少量のステロイド剤はあまり副作用が出ないのでよく使用されますが、この薬を使用しているときには自分勝手に中止しいてはいけません。
 関節の変形が強くなって、普段の生活に支障をきたすようなときには人工の関節に換えるような手術も行ないます。最近人工関節の素材も開発され、注意して生活すれば20年以上の耐久性があるといわれています。
 関節が痛んだり、朝のこわばりを感じる病気はリウマチが代表ですがリウマチ以外にも多くの病気がありますので、ぜひ診察を受けていただき確実な診断のもとに治療をうけて、痛みを少なくして快適な生活を送ってください。